再発足関節捻挫にKTとNBはどちらが位置覚改善に有効か?

この記事の要点

  • 日本語タイトル:再発足関節捻挫にKTとNBはどちらが位置覚改善に有効か?
  • 英語タイトル:The immediate effect of kinesiotaping versus neoprene brace on the ankle joint position sense in athletes with recurrent ankle sprain: a randomized controlled trial.

ここでは、くり返し足首をひねってしまう「足関節捻挫(そくかんせつねんざ)」の方を対象にした研究を、できるだけわかりやすくお話しします。
リハビリテーションや整形外科の外来で、よく話題になる内容ですので、専門用語もかみくだいて説明していきます。

目次

研究の背景・目的

何度も足首をひねってしまう「再発性足関節捻挫」では、
「固有受容感覚(こゆうじゅようかんかく:関節や筋肉が今どんな位置・角度にあるかを脳に伝える感覚)」が低下しやすいことが問題になります。
この固有受容感覚が落ちると、自分ではまっすぐ立っているつもりでも、実際には足首の角度がずれていたりして、再び捻挫しやすくなります。
そこで、この研究では、
・「キネシオテーピング(Kinesio Taping:伸縮性のあるテープを皮膚に貼って、筋肉や関節の動きをサポートする方法)」と、
・「ネオプレンブレース(Neoprene Brace:ネオプレンというゴムのような素材でできた足首用サポーター)」
の2つが、足首の固有受容感覚にどのように影響するか、特に「すぐその場での効果(即時効果)」に注目して調べています。

調査の方法(対象など)

対象は、再発性足関節捻挫のあるアスリート66名です。
この66名を、くじ引きのような方法で無作為(ランダム)に3つのグループに分けました。
1つ目はキネシオテーピング(KT)を貼るグループ、2つ目はネオプレンブレース(NB)を装着するグループ、3つ目は何もしないグループです。
それぞれのグループで、足首の「関節位置覚誤差(かんせついちかくごさ:自分で再現した足首の角度と、本当の角度とのズレ)」が、装着前後ですぐにどのくらい変わるかを比べました。

研究の結果

キネシオテーピング(KT)を貼ったグループと、ネオプレンブレース(NB)をつけたグループのどちらも、足首の関節位置覚誤差が統計的に意味のある範囲で減少していました。
つまり、どちらの方法でも、「自分の足首が今どの角度にあるか」を感じ取る力が、その場で良くなっていました。
その中でも、足首を下に向ける動き(底屈:ていくつ)ではネオプレンブレース(NB)の方が、
足首を内側にひねる動き(内反:ないはん)ではキネシオテーピング(KT)の方が、より大きな改善を示していました。

結論:今回の研究でわかったこと

再発性の足関節捻挫がある方では、キネシオテーピング(KT)とネオプレンブレース(NB)のどちらを使っても、その場で足首の関節位置覚誤差を減らすことができると報告されています。
そのうえで、足首を下に向ける動き(底屈)を重視する場合にはネオプレンブレース(NB)を、
足首が内側にぐにゃっと曲がってしまう動き(内反)を重視する場合にはキネシオテーピング(KT)を選ぶ、という使い分けの考え方が有用とされています。

実際の診察ではどう考えるか

診察やリハビリの場面では、
・足首を下に向ける方向(底屈)の安定性や感覚を少しでも補いたいときにはネオプレンブレース(NB)を、
・足首が内側に入りやすい方向(内反)のコントロールや感覚を補いたいときにはキネシオテーピング(KT)を、
といった形で選択することが考えられます。
これらを、再発予防のためのリハビリテーションの一部として、足首の位置感覚を補助する目的で活用していく、というイメージです。


参考文献


※この記事は、医学論文の内容を一般向けに解説したものです。診断や治療の最終判断は、必ず主治医とご相談ください。

この記事の執筆者プロフィール


Yoリハビリ整形外科かわな
院長 佐藤洋一

Yoichi Sato M.D.

医師・AIエンジニア


専門医・認定医・資格

  • 日本整形外科学会認定 専門医
  • 日本リハビリテーション医学会認定 専門医
  • 日本骨粗鬆症学会 認定医
  • 日本整形外科学会 認定リウマチ医
  • 身体障害者手帳指定医(肢体不自由)
  • 難病指定医(協力難病指定医)
  • 義肢装具等適合判定医

所属学会

  • 日本整形外科学会
  • 日本リハビリテーション医学会
  • 日本義肢装具学会
  • 日本骨粗鬆症学会
  • 日本整形外傷学会

修了

  • 日本骨折治療学会研修会 Basic, Advance
  • AO Trauma Course Basic, Advance, Pelvic & Acetabular
  • 義肢装具等判定医師研修会
  • 生活期のリハビリ医療に関わる医師の研修会
  • ボトックス講習・実技セミナー(上肢痙縮・下肢痙縮)

受賞歴

  • 日本リハビリテーション医学会 Reviewer Award
  • 日本骨粗鬆症学会 研究奨励賞
  • 日本骨粗鬆症学会 優秀演題賞
  • 日本骨折治療学会 優秀論文賞
  • 中部整形外科災害外科学会 学会奨励賞
  • 日本腰痛学会 優秀論文賞
  • 東海骨・関節疾患研究会 ベストレポート賞(2度)

趣味

  • キックボクシング(アマ2戦2勝1TKO)
  • コーディング(Python, Java, html, CSS)
  • 水泳、テニス、ヨット

Yoリハビリ整形外科かわな

名古屋市昭和区|八事西エリアのリハビリ整形外科

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  • 昭和区 瑞穂区 千種区 天白区

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