この記事の要点
- 日本語タイトル:慢性非特異的腰痛にLED赤色+赤外線照射は有効か?
- 英語タイトル:Clinical efficacy study of LED red and infrared light therapy for chronic non-specific low back pain.
ここでは、リハビリテーション(Rehabilitation:機能回復を目指す治療)や整形外科(Orthopedics:骨・関節・筋肉など運動器の病気をみる診療科)の外来でよく話題になる「慢性的な腰痛」に関する研究を取り上げます。
専門的な内容も出てきますが、できるだけ日常の診察でお話しするような、わかりやすい言葉で説明していきます。
研究の背景・目的
「慢性非特異的腰痛(chronic non-specific low back pain)」とは、3か月以上続く腰痛があるのに、レントゲンやMRI検査などをしても、はっきりとした原因が特定できないタイプの腰痛のことです。
このタイプの腰痛は、痛みが長く続きやすく、日常生活の動作がしづらくなるなど、体の機能にも影響が出やすいとされています。
そのため、痛みを少しでも和らげて、動きやすさを保つための治療法を増やしていくことが目的として考えられています。
調査の方法(対象など)
この研究では、「ランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial:治療法の効果を公平に比べるため、くじ引きのようにグループ分けをして行う研究)」という方法が使われました。
慢性非特異的腰痛の患者さん176人を、
・実験群(LED赤色+赤外線照射を受けるグループ)89人
・対照群(シャム照射:見た目は同じだが、実際には治療効果のない照射を受けるグループ)87人
に分けました。
どちらのグループも、通常のリハビリテーションに加えて、28日間、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)による赤色光と赤外線の照射、またはシャム照射を追加して行いました。
研究の結果
28日後に、どれくらいの人で症状が改善したかを「総有効率」という指標で比べました。
総有効率は、実験群では80.90%、対照群では27.59%で、その差は53.31%でした(p<0.0001:統計学的に偶然とは考えにくい差と判断される数値)。
また、「JOAスコア(Japanese Orthopaedic Association score:日本整形外科学会腰痛評価スコア。痛みの程度や日常生活動作、歩く能力などを点数化したもの)」でも、実験群のほうが対照群より高い点数となり、腰の状態がより良くなっていると評価されました。
結論:今回の研究でわかったこと
慢性非特異的腰痛の患者さん176人を対象にしたランダム化比較試験の結果、通常のリハビリテーションにLED赤色光と赤外線の照射を28日間追加すると、シャム照射を追加した場合と比べて、総有効率が高くなることが示されました。
また、この治療は安全性の面でも大きな問題はみられなかったと報告されています。
実際の診察ではどう考えるか
LED赤色光と赤外線の照射は、慢性非特異的腰痛に対して、28日間の治療で総有効率を高め、JOAスコアも改善したと報告されている治療の選択肢のひとつです。
今後もほかの治療法との違いや、どのような方に向いているかなどを検討しながら、実際の診療でどう取り入れるかを考えていく必要があると考えられます。
参考文献
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Clinical efficacy study of LED red and infrared light therapy for chronic non-specific low back pain.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42631780/
※この記事は、医学論文の内容を一般向けに解説したものです。診断や治療の最終判断は、必ず主治医とご相談ください。

