まず結論:この研究から言えること
特発性凍結肩の77人を12か月追跡した研究では、集中的体外衝撃波治療後に肩の機能や痛みの評価が改善しました。発症から3か月以内に始めた人や、治療回数が7回未満の人では、2か月後の上肢の評価も良好でした。ただし、他の治療と比べた結果ではありません。
そもそも、どんな問題なのか?
凍結肩は、肩の痛みや動かしにくさが起こる状態です。原因がはっきりしないものを「特発性凍結肩」と呼びます。服を着る、髪を整える、腕を上げるといった動作がしづらくなることがあります。
凍結肩の治療には、運動やリハビリテーションなど体への負担が比較的少ない方法から、手術までさまざまな選択肢があります。しかし、どの治療方法や進め方が最もよいかについては、まだ意見が一致していません。
この研究では、集中的体外衝撃波治療(f-ESWT)を調べました。これは、体の外から衝撃波を肩の限られた場所に当てる治療です。特発性凍結肩に対する12か月後までの結果を確認することが目的でした。
今回の研究では何を調べたのか?
前向き臨床研究として、特発性凍結肩の患者77人を12か月追跡しました。年齢の平均は57歳でした。治療回数の中央値は6回で、2〜10回の範囲でした。
介入は、集中的体外衝撃波治療です。他の治療と比べる比較群はありません。発症から3か月以内に治療を受けた人は43人でした。
治療前、治療終了時、治療後2か月、6か月、12か月に評価しました。肩の機能はConstant-Murley Score(肩の動きや痛みなどをみる評価)、腕や手の不自由さはDASH質問票、痛みはVAS(痛みの強さを表す尺度)で調べました。
何がわかったのか?
治療前と比べて、治療後は肩の機能を示すConstant-Murley Scoreが統計的に有意に改善しました。日常生活で肩を動かしやすくなった可能性を示します。
上肢の不自由さを示すDASHは、治療前より統計的に有意に低下しました。腕や手を使うときの不自由さが少なくなったことを示します。
痛みを示すVASも、治療前より統計的に有意に低下しました。痛みの評価が軽くなったことを示します。これらの変化のp値は0.001未満でした。これは、差がないと仮定した場合に、今回以上の差が得られる確率を示す統計値です。
発症から3か月以内に治療を始めた患者では、2か月後の上肢の不自由さを示すDASHが統計的に有意に低くなりました。治療回数が7回未満の患者でも、2か月後のDASHが統計的に有意に低くなりました。p値はいずれも0.013でした。
改善は治療終了時と2か月後にみられ、その後はいったん大きな変化が少ない時期があり、12か月後に再び統計的に有意な改善がみられる傾向でした。
私たちの生活・リハビリにどう関係する?
この研究からは、集中的体外衝撃波治療を受けた特発性凍結肩の患者で、12か月後に肩の機能、腕や手の不自由さ、痛みの評価が改善したことがわかります。発症から3か月以内に治療を始めた人や、治療回数が7回未満の人では、2か月後の上肢の評価が良好でした。
ただし、この研究には他の治療と比べる群がありません。そのため、この治療が他の治療より優れていることや、改善が治療だけによるものとは、この研究だけでは判断できません。
治療を始める時期や回数が自分に合うかは、症状や体の状態によって異なります。個別の診断や治療の判断は、主治医に相談してください。
研究でまだわからないこと
この研究の対象は、特発性凍結肩の患者77人です。そのため、同じような状態のすべての人に結果が当てはまるとは限りません。
Abstractには、研究の詳しい限界は明記されていません。比較群がないこと以外の限界については、Abstractだけでは詳しく確認できません。
参考文献
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Effectiveness of Focal Extracorporeal Shockwave Therapy for Idiopathic Frozen Shoulder at 12-Month Follow-Up.
PMID: 42973758
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42973758/
※この記事は、医学論文の内容を一般向けに解説したものです。診断や治療の最終判断は、必ず主治医とご相談ください。

