上肢運動器疾患に対しオンラインリハは通院と同等の効果があるか?

この記事の要点

  • 日本語タイトル:上肢運動器疾患に対しオンラインリハは通院と同等の効果があるか?
  • 英語タイトル:The effectiveness of telerehabilitation in upper limb musculoskeletal disorders: a systematic review.

ここで取り上げるのは、肩や肘、手首など腕の関節や筋肉・腱などの病気(上肢運動器疾患)に対して、オンラインで行うリハビリテーション(テレリハビリテーション:telerehabilitation)がどのくらい効果があるか、というテーマです。
ふだん整形外科やリハビリの外来でよく話題になる内容ですので、専門用語もできるだけかみくだいてお話ししていきます。

目次

研究の背景・目的

肩や肘など腕の関節や筋肉・腱の病気(上肢運動器疾患)に対して、オンラインで行うリハビリ(テレリハビリテーション:telerehabilitation)が本当に効果があるのかどうかは、これまで十分には調べられていませんでした。
そのため、病院やクリニックに通うのがむずかしい方にとって、通院して行うリハビリの代わりになりうるのかどうかが、はっきりしていませんでした。
この研究では、そうした「オンラインリハが通院リハの代わりとしてどの程度役に立つのか」を確かめることを目的としています。

調査の方法(対象など)

肩や肘、手首など腕の運動器の病気がある大人の患者さんを対象にした「ランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial:RCT)」という、治療効果を調べるときによく使われる研究を集めて、系統的に調べました(これを「システマティックレビュー:systematic review」といいます)。
そのうえで、オンラインで行うリハビリ(テレリハビリテーション)と、通院して行うリハビリ、ほとんど介入しない方法(最小介入)、両方を組み合わせた方法(併用介入)を比べました。
効果の大きさは、「標準化平均差(standardized mean difference)」という統計の指標を使って、どのくらい差があるかを比較しています。

研究の結果

オンラインで行うリハビリ(テレリハビリテーション)は、痛みの程度と、日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL。着替えや食事、トイレ動作など、ふだんの生活で必要な動きのこと)について、通院して行うリハビリとほぼ同じくらいの効果がみられました。
また、冊子などの資料だけで行う指導と比べると、日常生活動作(ADL)については、オンラインリハのほうが中等度の差で優れているという結果でした。
さらに、通院して行うリハビリにオンラインリハを追加すると、痛みや日常生活動作(ADL)が、よりよくなる傾向がみられました。

結論:今回の研究でわかったこと

肩や肘など腕の運動器の病気(上肢運動器疾患)に対して、オンラインで行うリハビリ(テレリハビリテーション)は、痛みや日常生活動作(ADL)の改善という点で、通院して行うリハビリと同じくらいの改善が期待できる可能性があると考えられました。
また、冊子などの資料だけで行う指導と比べると、日常生活動作(ADL)の面ではオンラインリハのほうが優れている可能性があり、通院がむずかしい方にとって、ひとつの代わりの方法になりうると考えられました。

実際の診察ではどう考えるか

通院がむずかしい肩や肘など腕の病気(上肢運動器疾患)の患者さんでは、オンラインで行うリハビリ(テレリハビリテーション)を、通院して行うリハビリの代わりや補助として、選択肢のひとつに入れて考えることができます。
実際には、患者さんそれぞれの症状の程度、ご自宅の環境、通院のしやすさなどをふまえて、通院リハとオンラインリハをどう組み合わせるかを、柔軟に検討していくことが大切だと考えられます。


参考文献


※この記事は、医学論文の内容を一般向けに解説したものです。診断や治療の最終判断は、必ず主治医とご相談ください。

この記事の執筆者プロフィール


Yoリハビリ整形外科かわな
院長 佐藤洋一

Yoichi Sato M.D.

医師・AIエンジニア


専門医・認定医・資格

  • 日本整形外科学会認定 専門医
  • 日本リハビリテーション医学会認定 専門医

  • 日本骨粗鬆症学会 認定医
  • 日本整形外科学会 認定リウマチ医
  • 身体障害者手帳指定医(肢体不自由)
  • 難病指定医(協力難病指定医)
  • 義肢装具等適合判定医

所属学会

  • 日本整形外科学会
  • 日本リハビリテーション医学会
  • 日本義肢装具学会
  • 日本骨粗鬆症学会
  • 日本整形外傷学会

修了

  • 日本骨折治療学会研修会 Basic, Advance
  • AO Trauma Course Basic, Advance, Pelvic & Acetabular
  • 義肢装具等判定医師研修会
  • 生活期のリハビリ医療に関わる医師の研修会
  • ボトックス講習・実技セミナー(上肢痙縮・下肢痙縮)

受賞歴

  • 日本リハビリテーション医学会 Reviewer Award
  • 日本骨粗鬆症学会 研究奨励賞
  • 日本骨粗鬆症学会 優秀演題賞
  • 日本骨折治療学会 優秀論文賞
  • 中部整形外科災害外科学会 学会奨励賞
  • 日本腰痛学会 優秀論文賞
  • 東海骨・関節疾患研究会 ベストレポート賞(2度)

趣味

  • キックボクシング(アマ2戦2勝1TKO)
  • コーディング(Python, Java, html, CSS)
  • 水泳、テニス、ヨット

Yoリハビリ整形外科かわな

名古屋市昭和区|八事西エリアのリハビリ整形外科

  • かわな いりなか 八事エリア
  • 昭和区 瑞穂区 千種区 天白区

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